2014年8月21日木曜日

第4回講座レポート


普段は車移動なのですが、前回は台風のためJRで平田さんの講座を受けに行きました。
愛媛県松山市にある民間小劇場シアターねこで運営スタッフをしている山本清文です。
簡単に自己紹介をさせていただきますと、僕は東京都杉並区立の公共劇場『座・高円寺』にある劇場創造アカデミー(一期生・俳優コース)出身です。俳優の勉強はもちろん劇場がどのように街と繋がっているか?などを学び、シアターねこの設立に伴い帰郷、現在はシアターねこの運営の傍ら、劇団ステッキと即興演劇シーソーズという2つの団体を主宰し演劇活動をしています。
生業としては、演劇ワークショップを地域のお年寄りや、保育園、ママさん向け、消防士さん、クリーニング屋さんテレビ局などの企業、小中高校、大学など教育機関で行ったり、地元のテレビ・ラジオ局で番組に出演するなどしています。

自己紹介が長くなりました。

 
さて、平田オリザさんの講座ですが台風のため午前中のみの開催となりました。
参加者もいつもよりも少ない様子でした。
 
まずは「アウトリーチとは何か?」という話。
 
 

▼アウトリーチを行う理由

・ニーズを掘り起こすため

・普段芸術文化に触れる機会が少ない方、劇場に来ることが出来ない方へアプローチするため

・ニーズの方向に向かって積極的に働きかけるため

・施設への理解を深めてもらう活動

などが挙げられていました。

「アウトリーチ」という言葉だけに、「劇場の外で行うこと=アウトリーチ」という意味にで使っている方も多い(狭義のアウトリーチ)ようだが、必ずしもそうではない(広義のアウトリーチ)があるという話でした。

▼広義のアウトリーチ

パンフの配付

ホームページの作成

バックステージツアー

 
▼狭義のアウトリーチ

教育普及事業

学校/病院への訪問

公民館などでのワークショップ

 
この話の後で、「広報宣伝カーはアウトリーチか?」という問が参加者に投げかけられました。
平田さんの考えでは、「双方向のやりとりがあるものをアウトリーチ呼びたい」とのことでした。企画・広報宣伝を行う上で、私は一つの考え方の軸になる話だなと思いました。

 
続いて、「集客手段としてのアウトリーチ」の話。

演劇の場合であれば、上演の何週か前に作家/演出家の講演会や、その作品の戯曲を使ったようなテキストワークショップ。鑑賞教室や授業内容と連動させることも可能だという話でした。

アーティストに依頼する前に地域のことを知ることが大事だということ。
高校に演劇部がいくつくらいあるか?
国語科の熱心な先生がいるか?
公民館がいくつあるか?
福祉施設や作業所はどのくらいあるか?
どを調べておく必要があるということでした。

平田さんが芸術監督をされていた「キラリふじみ」での障がい者向けワークショップの話は、興味深く、公演の空き時間に障がい者の方と行ったワークショップが好評だった様子で、その後も劇場と良い関係が取れていて、定期的にワークショップも行っている上に、今でも「キラリふじみ」は障がい者施設の方の散歩コースになっているそうです。
劇場の雰囲気も、イメージも良くなる貴重な存在だという話でした。


そして依頼するアーティストの特性を活かした内容にすること。
アーティストにお願いする予算をケチらないこと。
将来に向けて若手アーティストに来てもらうと、低予算でも相談に乗ってくれる可能性があること。
他のホールとのツアーなどを行うことも可能だという話が出ていました。

ワークショップなどのアウトリーチ活動は定期的に行うこと。少しずつ輪を広げ広範囲で行うことが大切だということでした。
また具体的に学校の先生、看護師さん、労働組合などターゲットを絞り込んで行うことも大切なポイントだということでした。

また、最近は映画がデジタル化されており、デジタルの映写機を購入することが必要だが、招聘するアーティスト、俳優さんにゆかりのある映画を上映する企画がお勧めだという話でした。
 
 

「実際のアウトリーチ活動に向けて」

・広報/募集を早めに行う

・学校暦を把握する(テスト・進学・就職・学年・学期・運動会など)

・キーパーソンを掴む(国語の熱心な先生など)

・教育委員会との連携

・議会対策

議会対策では、平田さんのワークショップを受けに来る議員さんがいる話が出ました。
刺激を受けた議員さんがひとりいるだけで、変わる町が実際にあった話でした。

最後は、近代芸術と現代アートの違いについての話です。

なかなか文字で上手くまとめられませんが、

・近代芸術・・・・イデオロギーあった。作家にテーマ性があり、それを伝える。

・現代アート・・・アーティストは、『世界がどう見えているか』を作品にして提示する。

というような感じでしょうか。

 
この日の私の感想としては、公共施設/劇場を運営するスタッフも広義の意味のアーティストではないか?ということです。

自分たちが住んでいる街はどんな街か?
街の抱える問題は何か?
公共施設/劇場のミッションは何か?
どのような企画が必要か?
それに相応しいアーティストは誰か?
そのアーティストと何ができるか?
 
それを限られた予算の中で実行すること。

私たちが「世界、あるいは私たちの街をどう見ているか?」ということが企画に反映されなければならないのだと感じました。

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